2017年の個人的ベストアルバム第7位は「FANTASY CLUB」
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2017年も残りわずかになりました、ということで
私が今年聞いたアルバムを厳選してピックアップ
上位20枚の作品を勝手にランキングして
カウントダウンで紹介、今回の作品は7位です。
tofubeats「FANTASY CLUB」
発売日2017年5月23日
評価☆☆☆☆
1.「CHANT#1」評価☆☆☆☆
ドラムやパーカッションの代わりに様々な声を重ねることで
曲のバッキングにしている点に驚かされるが、
ハンドクラップが鳴り出す頃には躍動感も出てきて楽しい。
これってライブを想定していてお客さんとかと
全て人力でやるんだとしたら会場の一体感が凄そう。
見事にオープニングの努めを果たしている一曲である。
2.「SHOPPINGMALL」評価☆☆☆☆
オープニングの楽しそうな雰囲気からシリアスモードへ一変。
鍵盤の音色やサウンドスケープ、音数が少ない隙間のある
バッキングがループして無機質で退廃的な雰囲気である。
歌は歌詞も含めて虚無、孤独感を感じさせ
現代社会を切り取ったかのようなサウンドトラック
に仕上がっているが、音色のせいなのかわからないが
どこかユーモラスな部分も残しており
歌詞の内容の割に暗さを感じない不思議な曲である。
3.「LONLEY NIGHTS」評価☆☆☆☆☆
東京世田谷発の総勢16人のHIPHOPグループ
KANDYTOWNのYOUNG JUJUを
招聘した曲だが、まず旬な人選がサスガである。
当然のように声にエフェクトを当てていたりするが
どこか愛嬌のあるラップになっていて
それはそれで面白いが少々もったいない気も・・・。
寂しげな音色とフレーズを繰り出す鍵盤のループが
延々と続くが中毒性を持っていて全く飽きることがない。
4.「CALLIN」評価☆☆☆☆
鍵盤の音色と響きが前の曲の続きのようだが
こちらのほうがよりエモーショナルな曲である。
ウネリを感じさせる音の処理やごっそり音を抜くなど
音のギミックも楽しくメロディーもどこか憂いを帯びていて良い。
5.「OPEN YOUR HEART」評価☆☆☆☆
まずイントロの途切れ途切れのベースがカッコイイ。
様々なタイプの光が飛び交っているかのような
エフェクトの効いたサウンドと
地味にカッコよいドラム、ベースの
バッキングとの対比にやられるインストナンバー。
6.「FANTASY CLUB」評価☆☆☆
ホイッスルが印象的な一曲でこれまたインストである。
こちらはよりミニマルなつくりで、どこかを彷徨っているか
のような音程の不安定な揺れる鍵盤の音色と
淡々と刻まれるビートのループでほぼ構成されている。
終盤ではチープさを感じる変なサウンドの
鍵盤が差し込まれるも特に印象には残らないか。
7.「STOP」評価☆☆☆
これまたヘンテコなサウンドとフレーズの連打である。
ファミコンのサウンドにも通じるチープさと
バグっっているかのような強く印象に
残るメロディーのフレーズで
なかなか中毒性が高いインストナンバー。
8.「WHAT YOU GOT」評価☆☆☆☆☆
インスト3連発で焦らされた分、キャッチーなメロディーを
装備した本作のわかりやすいカッコよさが際立つ。
これまた焦らすように鳴らされるベースとドラムでのせいか
ドンドン曲が盛り上がってくる感じの構成力の高さも◎。
やや曲が長いが中盤のかけ合いやアウトロのファンキーな
サウンドから甘いソウルのようなサウンドへの移行など
聞き所満載で飽きることがない良曲。
9.「WYG(Reprise)」評価☆☆
元ネタは前の曲なんだろうけどトラックが
3倍?4倍?速再生のため何をやっているのか
ハッキリいってサッパリわかりません。
前の曲は素晴らしかったのに次がこれって、
もったいないし微妙に長いんだよねぇ。
途中からどうやらワープ空間にはいってしまったよう・・・。
10.「THIS CITY」評価☆☆☆
この曲も前の曲と地続きなのか、イントロは早送り再生のトラックだが
先のワープ空間から抜け出したようにビートがシンプルに鳴り出す
BPM早めの曲でフロア対応型のサウンドとでも呼ぼうか。
途中なんらかのギミックがはいって転調するのかと思っていたが
鍵盤のフレーズの音程が少しずつ上がっていくのと
アウトロの光の粒子のような音色の鍵盤ぐらいであっさりと終了。
曲の長さが7分以上もあるのにこれでは少々退屈だよなぁ。
11.「YUUKI」評価☆☆☆
非常にゆったりとした曲で、木管楽器のようでありながら
琴などをつま弾いている様でもある不思議な音色のポロポロと
したハッキリした音とグニャグニャした電子音が心地よいサウンドは
本作でフューチャーされているVo.(Sugar Me)との親和性も高い。
単体で聞くとそうでもないが5曲目ぐらいからの流れが
ずべて地続きのようになっていて次の「BABY」への
橋渡しとしては最高の仕事をしている地味ながら重要な曲である。
12.「BABY」評価☆☆☆☆☆
まず多用すると表現が過剰になりがちな
ストリングスの使い方が抜群で素晴らしい。
音色、フレーズとも過不足なく
ピタッとハマっている様は見事である。
オープニングの引っ張り具合もいい塩梅で
バッキングの音と相まってドラマチックな展開が好印象。
ファーストインプレッションはそれほどでもないのだが
あとからじわじわと好きになる中毒性がある良い曲でオススメ。
13.「CHANT#2」評価☆☆☆
サウンドはシンプルなビートのループで
メロディーは1曲目と同じで親しみやすいのだが
今作で一番無機質で力強さも感じるビートの鳴りに違和感。
最後は聞きすぎて伸びてしまったカセットテープの様な音像になり
運転してきた車から降りて、鐘の鳴るどこかを歩いている音で終了
これまでの出来事(曲)は全てカセットテープに
吹き込まれていた寓話だったということなのだろうか?
パッと聞いた感じでは「今回は地味だな」という印象だったが
聞く回数を重ねるうちに次第に曲と曲のつながりの良さに
耳が行くようになり、スルメ的なキラーチューンを
いくつか備えるなど、前作を遥かに凌ぐ完成度を誇る。
是非ともアルバムまるごとを召し上がってほしい一品である。
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