2017年の個人的ベストアルバム第11位は?「まばたき」
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2017年も残りわずかになりました、ということで
私が今年聞いたアルバムを厳選してピックアップ
上位20枚の作品を勝手にランキングして
カウントダウンで紹介、今回の作品は11位です。
YUKI「まばたき」
発売日は2017年3月15日
評価は☆☆☆☆
本作は約3年ぶり(2年半)のソロ通算8枚目のとなるアルバム。
彼女の作品はいずれもサウンドプロダクションが素晴らしく
枚数を重ねるごとに扱うジャンルも増えるなど安定した
クォリティーの高さを誇り、まずハズレがないと思っている。
前作「FLY」も良作だったが、本作の充実ぶり(特に前半)は
それを上回ろうかというほど強度の高い曲が並んだ作品である。
1.「暴れたがっている」評価☆☆☆☆☆
イントロこそ鍵盤のリフで静かに幕を開けるが、
生々しい歌と演奏でいきなりアクセル全開といった感じに!
アップテンポで一気に聞かせてしまうオープニングナンバー。
ブリブリのベースと手数の多いドラムが疾走感を加速させているが
「暴れたがって~る」の部分では、あえて音を抜いていることが
”暴れている”ではなく”暴れたがっている”感じがしてGood!
メロディーに日本語の言葉を乗せることは
英語と比べるとなかなか難しい作業だと思うが
これ以上ないくらいにピッタリと言葉を選んで
ハメてくるセンスが彼女の場合とんでもなく
この作品でも随所にそれを見ることが出来る。
「暴れたがって~る」の部分もその好例の一つ。
2.「さよならバイスタンダー」評価☆☆☆☆
前曲と地続きのようにイントロになだれ込んでいく展開がよく
そのイントロはストリングスの合間に入る鍵盤もカッコいい。
ストリングスは、いらないことも多いがこの曲では
ドラマチック感の演出にかかせない重要な要素になっている。
また、ここでもブリブリ、ドコドコとリズム隊の音がよく
メロディーも先行シングルだけあってポップで非常に聞きやすい。
さらに、ただでさえ泣ける「3月のライオン」なのに
「涙なら冷蔵庫に~」の歌詞のコンビネーションはヤバいでしょ。
3.「こんにちはニューワールド」評価☆☆☆☆
たまたまなのかも知れないが「打上花火」で一気に知名度を
あげたDAOKOのようなウィスパーヴォイスを使った
イントロが絶妙なリアルタイム感を演出している。
曲調は力が抜けたリラックスしている雰囲気で
演奏陣は跳ねるリズム隊を筆頭に音が”黒い”のが特徴か
この曲は主役?の鍵盤の音色や響きが素晴らしく非常にムーディー。
頭上には太陽よりもミラーボールが似合う曲である。
4.「無敵」評価☆☆☆
サビのメロディーがポップすぎるのが難だが、
歌詞のハマり具合が見事で、なにより語感がよく
「私、嬉し、無敵な~のだ~」などはキラーフレーズか?
サビ以外の演奏も割と控えめでメリハリも一応は効いている。
最初の「待っている~~~、の~に」の節回しからから
気になっていたが最後の部分は「ギブス」のオマージュ?
5.「名も無い小さな花」評価☆☆☆☆☆
大人の貫録(余裕)を感じるミドルテンポな曲でメロディーもいい。
イントロのギターを筆頭に鳴っている音も
いい感じに隙間がありグルーブ感があって気持ちよい。
また各楽器の音色のチョイスやプレイも適度にレトロで
曲の長さも絶妙と何もかもがいい塩梅で素晴らしい。
後にインタビューで、この音が打ち込みで作られていると
知った時はちょっと衝撃だった。
てっきり腕利きの演奏陣がやってると思っていたのになぁ。
6.「レディ・エレクトリック」評価☆☆☆☆☆
イントロのストリングスのような鍵盤?の音色がEDMぽく
ギターの音色とフレーズの素晴らしい味付けなど
Aviciなんかが得意としているサウンドを思い出す。
「無敵」の言葉はこの曲にこそふさわしいと思えるほど
メロディーはポップでイントロからアウトロまで
高揚感に包まれる至極の一曲である。
7.「私は誰だ」評価☆☆
イントロからキャッチーすぎるギターサウンドが炸裂する。
一体どうした?と思うぐらいのポップさで
私は某アイドルのヘビー〇ーテーションを思い出した・・・。
しかしポップな曲調とは裏腹に珍しく、
歌詞にはネガティブな言葉が所々見られる。
8.「tonight」評価☆☆☆☆
ピアノを主体とした演奏に彼女の声が乗っているだけの
シンプルな構造の曲であるがやたらパワーがある。
この曲は絶対にPVとセットで見る(聴く)べきだと思う、
それほどPVに彼女の本質が表れている作品である。
9.「ポストに声を投げ入れて」評価☆☆☆
この曲もポップで耳なじみがいい。
メロディーの優しさは今作でも屈指であり
非常に聞きやすいが、前半の自己主張が強い
このアルバムの中に入るとパワー不足感が否めない。
10.「バスガール」評価☆☆☆
ミュージカル調?と呼んでも差し支えない面白い演出である。
鳴らされている音も、すぐそこで鳴っているように生々しく
ブラスセクションを含めたサウンドも他の曲とカラーが
全然違ってアルバムのいいアクセントになっている。
11.「2人だけの世界」評価☆☆☆
往年のシングル群にも負けない程ポップでキャッチーな
メロディーを備えていて鍵盤が主導する演奏など音も心地よい。
非常にパーソナルな内容だろうと予想してしまう歌詞などを
含めても、今作の中では地味な位置づけになってしまうか。
12.「聞き間違い」評価☆☆☆
曲のタイトルが変わっていて名曲の予感がしたが
どこかで聞いたことがあるようなイントロと
聞きやすいメロディーだが求心力はそれほど強くない。
この曲もアルバム前半の曲に比べると少しパンチが足りないか。
舌足らずに歌われる歌が、ときに”いきものがかり”に似ている気がする・・・
13.「トワイライト」評価☆☆☆☆
キラキラな電子音が目立つダンスナンバーだが
最近のものというより鍵盤の響きやビートなどが
ファンキーでありむしろ懐かしいサウンドで逆に新鮮。
メロディーがやや淡白だが程よいポップさで
インパクトはそれほどないが聞いていて飽きないので
またアルバムの最初から聞きたくなってしまう。
ほぼギミックのないサウンドで、キャッチーなメロディーのおかげもあり
歌に耳がいくので歌詞も入ってきやすい構造になっているのが素晴らしい。
前半の曲のパワーが凄かったため、後半が地味に聞こえてしまう。
トータルで見るとアルバム全体の長さも丁度よく
コッテリ、サッパリで何杯もオカワリしてしまう良作。
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